2012年12月21日金曜日

Konst

この記事はScalaz Advent Calendarの20日目の記事です。

ScalaにはFunction.constという常に一定の値を返す関数があります。


この関数を型レベルで表したものがScalazにKonstとして定義されています。

Konst


NaturalTransformationを例にKonstを使ってみます。


あまり使わなさそうですね!
私としてはまだScalaz6にあったPartialApplyの方が便利な気がするのですが。
まあ、型推論がうまくいかなかったり、Unapplyが新しく入ったりしたことが原因にあるのでしょうね。

2012年12月18日火曜日

Scalazのかきかた


というわけで、Scalaz Advent Calendarの18日目の記事です。

Scalazには多くの型クラスとそのインスタンスが定義されており、それを扱うために、多くの記法が存在します。
この記事では簡単で冗長な記法から、複雑で簡素な記法まで紹介していきます。

インスタンスの取得


implicit valueとして定義されている型クラスのインスタンスは、implicit parameterにより取得が可能です。

そのインスタンスの取得にも様々方法があります。

implicitly

Scala標準ライブラリに定義されている、implicit valueを取得する関数です。


TypeClass

また、Scalazの型クラスにはインスタンスの取得のための関数、TypeClass.applyを使用することができます。


関数呼び出し


ある型クラスの関数を使用するとき、先ほどのようにインスタンスから直接呼び出すことができます。


Ops

しかし、明示的に型クラスのインスタンスを取得するのは冗長です。
Scalazではimplicit conversionを用いて、型クラスのインスタンスをもつオブジェクトに対して暗黙の型変換を提供します。


暗黙型変換の他にも、単一のオブジェクトを対象としない型クラスの関数がインポートされます。


関数定義


関数を定義するとき、implicit parameterを指定する方法が2つあります。

implicit

1つはimplicitを使う方法です。


Context Bounds

もう1つ、Context Boundsというものが存在します。


インスタンスを明示的に扱わない場合はContex Boundsで定義した方が良いでしょう。


Syntax


大抵の場合の場合はOpsとContex Boundsで短いコードが得られますが、これらを使っても冗長になる場合があります。


Scalaでは返り値の型を指定してもimplicit valueを決定することは出来ないので明示的に型を書く必要があります。
このような場合、Syntaxを使うことで明示的に型を指定する必要がなくなります。


まとめ


短く簡素なコードになるほど、複雑な仕組みが使われていきます。
大抵のものはContex BoundsとOpsで短いコードになるので、積極的に使っていきましょう。
型クラスのインスタンスから直接関数を呼ぶのも良いですが、Syntaxをimportした方が簡素になる場合があることも頭に入れておくと良いでしょう。

2012年12月17日月曜日

JavaFX & Web Start with Clojure

This article is the 5th of JavaFX Advent Calendar and a sequel of Tic-tac-toe with Clojure.

Tic-tac-toe

Since the logic of the game have been made, we only need to implement at the drawing.

Application


As the basis for JavaFX, inherit javafx.application.Application to the main class.

In order to compile the class files of Java, we use the gen-class.

In the main method calls Application.launch.

In the start method implements tic-tac-toe.game.Canvas and register the handler in each panel.

doto is useful when using the GUI library in Clojure.
We can run continuously some methods under the instance.
It is like the instance_eval in Ruby.

Such an interface as EventHandler is obtained an instance by using reify.

Web Start


First, make a standalone jar file with lein2 uberjar.

Then create a jnlp file.

The all-permissions are needed to run Clojure.

We must make a signature, because it requires all-permissions.

You can make the keystore by keytool, and sign the jar using jarsigner.

keytool -genkey -keystore foo -alias bar
jarsigner -keystore foo target/tic-tac-toe-0.1.0-SNAPSHOT-standalone.jar bar

You can start with Web Start.

If you try on local environment, rewrite the codebase of jnlp file.

Miscellaneous Thoughts


I think that JavaFX is simpler than Swing and we would be able to write the GUI application easily.

But I felt that the Web Start is not suitable for other required language runtime, such as the Scala and Clojure.
Because file size becomes very large.

2012年12月15日土曜日

UndoT

この記事はScalaz Advent Calendarの15日目の記事です。

scalazのcoreのjarに含まれ、独自のパッケージが存在しながらも、全く話題に上がらないundoについて書きます。

scalaz.undo以下にはUndoTとHistoryの2つのデータ型があります。

UndoはHistoryを状態とするStateモナドで、Historyはundo, redoの為のListと、currentのデータを持ちます。

例を作ってみます。

この時、Historyはこのように変遷しています。

History("initialize", Nil, Nil) // eval("initialize")
History("hello", List("initialize"), Nil) // hput("hello")
History("world", List("hello", "initialize"), Nil) // hput("world")
History("hello", List("initialize"), List("world")) // undo
History("world", List("hello", "initialize"), Nil) // redo


これを使っているユーザーがどれだけいるのか気になるところです。

これだけでは物足りないと思ったので、MonadStateについて書こうと思いましたが、UndoTのMonadStateのインスタンスの定義がおかしい気がする。

なので今日はpull requestを投げて終わります。

2012年12月13日木曜日

Codensity

この記事はScalaz Advent Calendarの13日目の記事です。

Codensityについてググると、

The Mother of all Monads

という記事が見つかる。
Codensityは継続モナドとほぼ同じものみたい。

この記事にある例をScalaで書いてみる。

Option

Disjunction

なるほど。
CodensityがOptionやDisjunctionとして動く。

でもこれってIdTじゃ(ry

Codensityは継続モナドのようなもの、ということで継続らしい例を書いてみる。

iprintで、計算の経過を表示する。

Some(bar)とNoneが表示される。

継続を破棄するbreakを定義し、for式で使ってみる。

Some(bar)だけが表示される。

無事、計算が破棄された。

Codensityはあるモナドにおいて計算量を減らせることがわかった。
他にも何か出来そうだが、わたしが思いついたのはこれくらい。

2012年12月9日日曜日

Injectiveを考える

この記事はScalaz Advent Calendarの9日目の記事です。

この記事に書いてあることは役にたたないと思うので、あまり気合を入れて読まないでください。

Injective


Scalazには、Injectively, Injective1 ~ Injective5が定義されている。
よくわからない。

Injectiveをググってみると、どうやら単射のことっぽい。

Injectiveは型パラメータをとる型を型引数にとる。
つまり、種(カインド)が* -> *や、* -> * -> *である型が単射であるいう制約をつけるものではないかと考えた。

とりあえずInjectiveの例を列挙してみる。

List

ふつうに定義できる。

type member

Hoge#Fは未定義なので、インスタンスの供給は出来ない。

dependent method types

明示的にインスタンスを渡す必要はあるが、コンパイルすることは可能。


ふむ、よくわからない。

単射にならない型がもしあるのだとしたら、F[_]に対して、ある型Aを渡した時にコンパイルが通らないということだろうか。
ということは、F[_]がとりうる型に対して制約をかければよいということだろう。

次のような例を書いた。

なるほど。
確かに、単射ではないからInjectiveのインスタンスが定義出来ない。

Injectiveの意味がようやく理解できた。

InjectiveはLiskovのコードで使われているが、まあ、よくわからない。
わからなくても、この先困るということもないと思う。

2012年12月5日水曜日

ClojureでJavaFX & Web Start

JavaFX Advent Calendar 2012
5日目の記事です。

三目並べ

Cojureで三目並べの続き。

ここでは三目並べのJavaFX実装について書きます。

ゲームのロジックは作ってあるのであとは描画のところを実装するだけ。

Application


JavaFXの基本として、メインクラスにjavafx.application.Applicationを継承します。

ここではgen-classを使って、Javaのclassファイルにコンパイルします。

mainメソッドではApplication.launchを呼び出します。

あとはstartメソッドでtic-tac-toe.game.Canvasを実装し、各パネルにhandlerを登録します。

ClojureでGUIライブラリを使うときに便利なのがdoto。
あるインスタンスのもとで、メソッドを連続して実行することが出来ます。
Rubyのinstance_evalのようなものですね。

EventHandlerなどのインターフェースはreifyを使うことで実体を得られます。

Web Start


JavaFX Script時代にはいくつかWeb Startのアプリケーションを作ったことが
ありましたが、JavaFX 2になってからは初のWeb Startです。

まずは、lein2 uberjarでstandaloneなjarを作ります。
20MBもあるのはClojure+JavaFXのclassファイルが入ってる所為です。

次にjnlpですが、こんな感じになりました。

all-permissionsになっているのはClojureを実行するためです。
多分JRubyやGroovyでもall-permissionsが必要になるはず。

all-permissionsを要求するので、署名をしなければなりません。
keytoolで適当なkeystoreを作ります。

keytool -genkey -keystore foo -alias bar

fooというファイルが作られるので、jarsignerを使ってjarに署名します。

jarsigner -keystore foo target/tic-tac-toe-0.1.0-SNAPSHOT-standalone.jar bar

これでWeb Startで起動できます。
実際に試す場合はjnlpファイルのcodebaseを

codebase="file:/home/halcat0x15a/tic-tac-toe/"

のように書き替え、

javaws tic_tac_toe.jnlp

で実行可能です。

雑感


このプログラムではたいしたことをしていませんが、JavaFXのおかげで、Swingよりもシンプルで簡単にGUIを書けるようになったと思います。
他のGUIライブラリと比べても、ライブラリの設計は格段に良くなったと感じます。

Web Startは、ScalaやClojureなどのランタイムが他に必要な言語にはあまりむかないのかなと感じました。
プログラム+ライブラリ+ランタイムとなると、かなりファイルサイズが大きくなってしまいます。

ClojureScriptでgoog.graphics

altjs Advent Calendar 2012
5日目の記事です。

三目並べ

Cojureで三目並べの続き。

ここでは三目並べのClojureScriptによる実装について書きます。

ゲームのロジックは作ってあるのであとは描画のところを実装するだけ。

goog.graphics


描画にはgoog.graphicsを使うことにします。

ClojureScriptはGoogle Closure Libraryで実装されており、nsでJavaScriptのライブラリをrequireすることが出来ます。

各種定数。

tic-tac-toe.game.Canvasを実装します。

main関数を定義します。

HTMLはコンパイルされたJavaScriptを読み込み、main関数を呼び出します。

これで動いてほしいところですが、cljs.core.logicがバグってるので、コンパイルされた.jsの修正が必要です。
cljs.core.logic.macros._take_STAR_のところをcljs.core.logic._take_STAR_に変更します。

masterでは直ってますが、修正版がpublishされていないのが悲しいですね。

雑感


いままでもClojureScriptについていろいろ書いてますが、やはりClojureは書いてて楽しいです。                                                            
最近はprotocolとrecordとmacroが好みです。                                                                                                           

論理プログラミングで書いたコードがWeb上で動いているのはなかなかおもしろいと思うのですが、コンパイルされたJavaScriptのコードをみるとものすごくカオスです。

Google Closure Compilerによるアシストがあるとはいえ、ファイルサイズは比較的大きくなるので、注意です。

cljsbuildのおかげで、今回のようなJVMとWebの両方で動くようなコードが書けるので、これからClojureScriptを使う人には是非知ってもらいたいものです。

Clojureで三目並べ

Lisp Advent Calendar 2012
6日目の記事です。

三目並べ

ここでは三目並べソルバについて書きます。

tic tac toe


三目並べ、すなわち◯×ゲームです。
小学生の頃とかやってました。
このゲームは両者が最善を尽せば必ず引分けになるゲームで、その最善手もわかりやすいので他人とやってもだいたいドローになります。

この三目並べで盤面から次の手を返すプログラムを、ClojureとClojureScriptの両方で動くように作成します。

core.logic


今回は論理プログラミングでこのパズルを解きます。

最初にnamespaceですが、ClojureとClojureScriptの両方で動かす為に、多少の黒魔術があります。

;*CLJSBUILD-REMOVE*;はcljsbuildがビルド時に削除してくれるコメントです。
core.logicがclj版とcljs版で違うnamespaceを使っているのでこうなっています。

盤面で、空いているところはnilとします。
not-nil?という述語を作るために、!=を使いたいところですがcljs版に存在しないのでprojectを使います。

projectはcore.logicで使われている変数にあたるものから値を取り出します。

盤面が空いていたらコマを置く述語write。

コマが2連続で続いていたら自分であろうと相手であろうと決着します。
そのため、コマを優先して置く述語checkを定義します。

これで補助の述語の定義は終りです。
あとは愚直に盤面を検査します。

checkやwriteの順番を並べ変えると強くなったり弱くなったりします。
ここではなるべく中心にコマを置くように書いています。

盤面から次の手を返す述語が定義できました。
もう1つ、ゲームが終了したか調べる述語も定義します。

実際の使い方はこんな感じ。

敵味方の区別をつけていないので思った通りの手が返ってきていませんが、勝てないというのもつまらないのでこのままにします(手抜き)。

これらの関数を使い、ゲームのロジックを書きます。

Canvasプロトコルを実装し、play関数を各パネルをクリックした時のhandlerとして登録することで動きます。

JavaFXによる実装goog.graphicsによる実装を書きました。

雑感


core.logicによる論理プログラミングは慣れていないせいか、とても頭をつかいました。
完成したコードは愚直だけれど分かり易いものになりました。
こういった書き方が出来ることが論理プログラミングの1つの利点でもあると思います。

ゲームのロジックに関してはあまり綺麗に書けなかったのですが、各ライブラリと協調できるうまい書き方を知りたいものです。

2012年12月1日土曜日

Isomorphism

Scalaz Advent Calendar!

Isomorphism


あるcase classに対してMonoidを定義したいとき、大体のものはTupleのMonoidのインスタンスが使えると思います。
こんなときにIsomorphismMonoidが使えます。

Monoid以外の型クラスを定義したい時もこんな感じで使える。

このように、データ構造が同じもののインスタンスを流用する場合はIsomorphismが使えます。

<=>[A, B]はIso[Function1, A, B]のtype aliasで、to: A => Bとfrom: B => Aを定義します。
IsomorphismMonoidなどの型クラスは、toを使って実装されていることに注意しましょう。